
菅義偉官房長官は21日来県し、火災で焼失した首里城を初めて視察した。菅氏は「国営の公園事業である首里城の復元に向けて責任を持って取り組む」と述べるとともに、再建までの観光振興策として、城壁に立体的な映像を投影するプロジェクションマッピングを年度内に始めるほか、2020年5月の大型連休までに世界遺産の地下遺構を見学できるようにする考えを示した。
首里城の視察後は自民党県連役員や松川正則宜野湾市長らと那覇市内で面談し、米軍普天間飛行場の移設先とする名護市も訪れて関係者と面談した。22日に米軍那覇港湾施設(那覇軍港)を視察し、帰任する。
今回の菅氏の来県で玉城デニー知事との正式な会談は予定していなかったが、県側の希望で玉城知事が首里城の視察に同行して被災状況を直接説明した。
玉城知事は視察後、記者団に「(再建に向け)来週にも基本的な考え方をまとめ、国の方向性とすり合わせながら連携して取り組みたい」と述べた。
菅氏は、首相官邸に設置した「首里城復元のための関係閣僚会議」の議長を務めている。守礼門前で報道陣の取材に応じ、「被害の大きさを実感すると同時に、復元に向けて全力を尽くしていかなければならないと決意を新たにした」と現場を見た感想を語った。
一方で、名護市辺野古の新基地建設について「普天間飛行場の固定化は絶対に避けなければならない。地元の皆さんとも共通の認識だと思う」と改めて推進姿勢を示した。