東京五輪代表選考を兼ねたレスリングの全日本選手権第3日は21日、東京・駒沢体育館で行われ、五輪階級の男子グレコローマン87キロ級決勝に進んだ鶴田峻大(沖尚高出、自衛隊体育学校)は準優勝。
3度目の正直とはいかなかった。“同門対決”となった決勝、鶴田峻大は2年続けて角雅人(自衛隊体育学校)の前に涙をのみ、またも準優勝となった。6月の全日本選抜でも決勝で敗れており「3回目は負けられないと思ったけど、またか…」。試合終了後、一度報道陣の前を通り過ぎ、控室で正座になってしばらく動けなかった。
第1ピリオド、パッシブで先制した。しかし、うつぶせの相手を2回持ち上げたが、いずれも耐えられて技につながらず1点止まり。第2ピリオドはパッシブで同点となり、さらに豪快な投げ技を受けて5点を追加され、突き放された。
何度も戦い、癖の分かっている相手。「ローリングが強い選手で、リフトを警戒しきれていなかった」と反省を口にする。東京五輪のアジア予選出場が懸かり「1位じゃないと出られない」と奮い立たせたが、一歩届かず。今回の五輪出場への道は絶たれた。沖尚高時代は柔道部で、競技歴は長くはない。2024年のパリ五輪出場も視野に入れ「スタンドでの展開など、まだ覚えることはたくさんある。先行されてもポイントが取れるようになりたい」と前を向いた。 (長嶺真輝)