ビニールをかぶり死んでいるウミガメ…レジ袋を配っている私たちは無関係じゃない 小さな店が始めた取り組み


この記事を書いた人 Avatar photo 玉城江梨子
「ビニール袋の大量消費をなくしたい」との思いからマイバック貸し出しを始めた安田協同店の(左から)平秀子さん、徳田泰二郎さん、優子さん=12月9日、国頭村安田

 豊かな自然に囲まれた国頭村安田にある安田協同店は、2019年4月から利用客にマイバッグの貸し出しを始めた。「レジ袋の無駄遣いを減らしたい」。店主の徳田泰二郎さん(46)、優子さん(44)夫婦の思いが、やんばるの地に広がり始めている。

 きっかけは同年4月、徳田さん夫婦が安田のビーチを散歩中、頭からビニールをかぶり死んでいるウミガメを見つけたことだ。2人は「人ごとではなかった。袋を配布する私たち自身への問い掛けだった」と口をそろえる。その後、村比地のやんばる野生生物保護センターから譲り受けた同センターグッズのバッグ30枚を活用し、マイバッグとして貸し出しを始めた。

 取り組みから約9カ月が経過。1日平均90人の買い物客が訪れる協同店では、数日でビニール袋100枚を使い切っていたが、最近では1日数枚程度と使用枚数は大幅に減少した。泰二郎さんは「買い物袋を持参する人も増え、レンタル数も以前より減った。マイバッグの利用が徐々に定着してきたように感じる」とほほ笑む。従業員の平秀子さん(61)は「取り組みが広がるとうれしい」と話す。

 この日も、買い物袋を手に店を訪れる人々が多く見られた。利用客の女性は「いつも持参している」とにっこり。今後も自然との共存を目指し、プラスチックごみを減らす取り組みを続けていく。  
  (吉田早希)