父と娘の特製もりもり定食でコンテスト優勝目指す


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全国大会で優勝を目指す森俊雄さん(右)と長女咲良さん=27日午後、那覇市西

 沖縄県浦添市の自営業森俊雄さん(50)と神森小5年の長女咲良さん(10)親子が「わが家のおいしいごはん」をテーマにしたウィズガス全国親子クッキングコンテストの九州地区大会で優勝し、1月26日に東京で開催される全国大会に出場する。今回が13回目の大会で、沖縄から全国大会に出場するのは2組目。咲良さんは「やるからには全国制覇」と意気込んでいる。

 12月27日午前11時、那覇市西の沖縄ガスショールーム「ゆ~くる」にはエプロン姿の2人がいた。この日は、全国大会を前にした練習。ルールは制限時間60分以内に4人分の料理を作る。食材費は2千円程度、品数は5品が上限で、事前の下ごしらえはできない。

 作るのは枝豆ごはん、もずくとオクラとトウガンのスープ、鶏肉のフーチバーパン粉焼き、レンコンとゴボウ、ニンジンのきんぴら、ゴーヤーとツナのサラダの5品。「森家特製もりもり定食」だ。塩や食材は可能な限り県産品を使う。

 きんぴらは咲良さんの得意料理といい、包丁さばきも慣れたもの。俊雄さんは鶏肉をさばいたり、オクラやトウガンを切りそろえる。味付けの鍵を握るのは咲良さんで「チームの司令塔」と俊雄さん。盛り付ける皿やランチョンマットの色合いなども咲良さんの考えを重視する。この日も時間内に調理、盛り付けは終えたが、最後まで皿とマットの組み合わせに悩んでいた。

 「いつか咲良と出場したかった」という俊雄さん。今回の出場は「沖縄地区大会の書類選考を通過できればいい」くらいに考えていた。それでも沖縄地区大会、九州地区大会と少しずつ改善を加えながら順当に突破。「この年でお父さんの願いをかなえてあげているんだから、親孝行者だよね」。咲良さんは笑う。

 俊雄さんは「素人が家庭料理を作っているだけで自信はない」と謙遜するが、咲良さんは「優勝する。目標は大きい方がいいの」と勝ち気だ。抜群のチームワークが“隠し味”なのかもしれない。
 (高田佳典)