首里城焼け跡前で正月儀式 焼失後初の新春の宴 県民、観光客再建願う


この記事を書いた人 問山栄恵
「新春の宴」に登場する国王と王妃=1日、那覇市首里の首里城公園

  正月三が日に開かれる首里城公園「新春の宴(うたげ)」が1日、沖縄県那覇市の首里城公園で始まった。10月の正殿などの焼失後初となった今回も例年通り家族連れや観光客が足を運び、焼け残った建物の前で行われる儀式を目に焼き付けながら再建を願った。

  正殿前の御庭で琉球王国時代の正月儀式「朝拝御規式(ちょうはいおきしき)」は例年、再現されてきたが、今年は開催が見送られるなど規模を縮小して行われた。下之御庭では御座楽の音色が響く中、国王と王妃が登場。来場者は骨組みがあらわになった奉神門をバックにその姿を写真に収めていた。

「新春の宴」で披露された系図座・用物座での御座楽の演奏=1日、那覇市の首里城公園

  八重瀬町から訪れた教員の慶田盛次典さん(59)と妻の礼子さん(58)は「焼失は残念だけど再建を願う」と話した。娘の開邦高2年の結さん(17)は「沖縄の歴史をもっと知りたい」と語った。
  
  公園内には国内外から訪れた観光客の姿も見られた。北海道から家族と訪れた公務員の佐藤公紀さん(44)は「首里城内は入れないと思ったが、予想よりも中まで来られたので、びっくりしている。再建されたらまた来たい」と語った。
  
  宴では新春をことほぐ琉球舞踊や古典音楽の演奏、泡盛試飲などがあった。首里杜館地下1階のビジターロビーにはメッセージボードが置かれ、再建を願う応援メッセージなどが書かれていた。【琉球新報電子版】