一括交付金、県・全市町村「継続望む」 本紙アンケート


この記事を書いた人 Avatar photo 宮里 努

 2021年度で期限が切れる沖縄振興特別措置法に基づく沖縄振興一括交付金について、琉球新報は3日までに県と県内41市町村にアンケートを実施し、回答を得た。県と全市町村が22年度以降も一括交付金の継続を「希望する」と回答した。理由として「廃止されれば事業実施が困難となる」「継続して対応する必要がある」とする回答が多かった。廃止されたとしても継続したい事業があるかについては37市町村が「ある」と回答した。教育分野などで中長期に取り組む必要性を感じている市町村が多いことが分かった。 

 一方、政府の一存で予算額が決まる仕組みや減額による影響を課題に挙げる回答も多くあった。「年々、県全体額が下がってきており市町村事業にも影響がある」(宜野座村)、「予算額の決定は政府の裁量下。年々事業採択のハードルが上がり調整に苦慮している」(うるま市)などの指摘があった。

 一括交付金制度の継続を希望する理由としては「離島の条件不利性の克服と産業振興のために必要」(座間味村)、「地域貢献度は計り知れない」(与那国町)など地域振興への貢献を挙げる回答が多かった。また「単費に振り替えると財政が潤沢でない市町村は実施が厳しい」(伊是名村)、「なくなった場合、事業の大幅な見直しが必要となる」(八重瀬町)など事業の継続が厳しくなるとの回答も多かった。その一方で「柔軟で幅広い分野に活用してほしい」(国頭村)や「配分の見直しが必要」(宜野湾市)との回答もあった。

 県は一括交付金を含む沖縄振興の各種制度について「沖縄の抱える特殊事情から生じる各種課題に対応するために措置されていることから、これらが解消されるまでは制度継続を希望する」と回答した。