社会見学の4日前に首里城焼失… 「いつか自分の目で見てみたい」 沖縄県の小中学生姉妹、職人支援へ


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首里城復興に伴う資金造成のためクラウドファンディングを立ち上げる、親川明日花さん(左)と茉莉花さん姉妹=12月21日、那覇市の琉球新報社

 【南城】いつか首里城を見てみたい―。南城市の小中学生姉妹2人が、首里城復興のための資金造成を目的に1月、クラウドファンディングを立ち上げる予定だ。2人は「いつでも行ける」との思いから首里城を訪れたことがなかったが、首里城が焼失し「県民なのに見たことがない」と落胆。その後の報道の中で、喪失感を抱えながらも復興を目指す人たちを見て「できることをしたい」と取り組みを始めた。姉の親川明日花さん(13)=玉城中1年=は「数十年かかっても首里城を自分の目で見たい」と意気込みを語った。

 首里城火災の映像を見て特にショックを受けたのは妹の茉莉花さん(9)=佐敷小4年=だった。「4日後に社会科見学で行くはずだった」。初めての首里城見学を「あと何日」とカウントダウンしながら心待ちにしていた矢先だった。明日花さんも「まさか首里城がなくなるなんて」と落ち込んだ。

 「何かできることはないか」。悩みながらテレビを見ていてひらめいた。2人は数年前から“小学生起業家”として活動していることもあり「自分たちで資金造成しよう」と思い立った。

 「誰が資金を必要としているか」を明確にしようと瓦職人などへの聞き取り調査を重ね、まずは「職人さんと、首里城周辺で困っているお土産屋さんを応援しよう」と方向性を決めた。現在、資金の使用方法など詳細を伝えるためのフェイスブックページを制作中だ。

 2人は「一年でも早く首里城が見たい。自分たちも復興を目指す一員として活動を続けたい」と呼び掛けた。

 専用のフェイスブックページが完成するまでの問い合わせ先は、2人が運営するオンラインショップ「なんじょうらぶshop」のフェイスブックまで。