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うるま市で発生した豚コレラについて、発生現場近くの養豚場で新たに感染が疑われる豚がいることが9日、明らかになった。国や県の担当者は「途中経過は一切公表しない」と詳細を明らかにしなかったが、関係者が危惧する感染拡大が現実となる可能性もある。県は9日に防疫対策説明会を開き、現状報告とワクチン接種について意見を聞いた。参加者からは豚コレラのまん延防止を求める声が上がった。
那覇市古波蔵の沖縄畜産振興支援センターで開かれた説明会には、養豚事業者や関係団体、飼料会社などが参加した。参加者によると、ワクチンは沖縄の在来豚「アグー」に優先して接種を求める意見などが出た。担当者からはワクチン製造が追いつかず、在庫不足の状況にあることが説明された。
8日に感染が確認された養豚場が非加熱の食品残さを餌として与えていたことについて、説明会の参加者から「以前から危ないと言われていた。条例の制定も含めて徹底して指導してほしい」など、厳しい意見が上がった。空港や港の防疫体制についても指摘があった。
県畜産課の仲村敏課長は、空港の国内線到着ロビーに昨年12月30日に消毒マットを設置したとして「若干遅れたが消毒できる体制をとっている」と答えた。
家畜などの区域外への搬出が規制される10キロ圏内の区域について「南部で繁殖、北部で肥育などをする場合には必ず10キロ圏内を通る。生きた豚を運べないのか」との質問が出た。農水省動物衛生課の金子明誉国際衛生専門官は「申請手続きをすれば生体でも通過はできる」と説明した。
北部で養豚場を経営する60代男性は「北部はイノシシも多く、一度感染が広まれば止められなくなる。この1カ月ぐらいで、どこまで食い止められるかが重要だ」と指摘した。