亡き友との約束、やっと果たせる 重度障がいの木村浩子さんが「二人展」 故潮平紀子さんの作品と85点展示


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 脳性まひによる重度障がいがある木村浩子さん(82)と、同じ障がいがあり2006年に亡くなった故潮平紀子さん(享年52)による「二人展」が23日から宜野湾市のぎのわんセミナーハウスで開催される。27日まで。入場無料。2人の作品約85点が展示される。木村さんは「彼女との約束を果たせると思ったら、すごくうれしい。思い残すことは何もない」とほほ笑む。

二人展を開催する木村浩子さん(前列右)と実行委員ら=10日、宜野湾市のぎのわんセミナーハウス

 潮平さんは独学で油絵や刺しゅう、ちぎり絵などを習得し、沖縄平和美術展や亜細亜現代美術展、沖展などに出品した。180点以上の作品を残して亡くなった。木村さんは「口と足で描く芸術家協会」の会員で画家のかたわら、平和と福祉を考える場として始めた宿泊施設「土の宿」を伊江島で営んでいる。

 2人の出会いは1993年。潮平さんが「土の宿」を訪れた。平和への思いや絵に対する情熱を語り合い、意気投合。「いつか二人展をやろうね」と誓い合った。約束が実現できないまま、潮平さんは52歳で亡くなった。

 2019年7月、「土の宿」の支援者らが集い同窓会が開かれた。その後、木村さんは潮平さんとの約束を果たしたいという思いが強くなったという。木村さんと関わりが深い人たちが中心となって実行委員を作り、10月から準備を進めた。

 実行委員の友寄隆静(りゅうせい)さん(72)は「彼女たちの気持ちを大切にして、2人の思いを実現させたい」と話す。木村さんは「潮平さんの絵はたくましく、沖縄の魂のようなものを感じる。絵を通して、彼女の存在や生き方を伝えたい」と力強く語った。

 時間は午前10時~午後7時まで。問い合わせは(電話)090(9781)5113(又吉)。

(上里あやめ)