FC琉球、J1目指し本格始動 沖縄で全体練習 Jリーグ経験者多数が加入


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 サッカーJ2のFC琉球は14日、八重瀬町の東風平運動公園サッカー場で2020シーズンへ向けたことし初めての全体練習を行い、本格始動した。昨季はJ2初参戦で22チーム中14位。2季目へ向け、樋口靖洋監督は「(J1昇格)プレーオフに進出し、J1へチャレンジしたい」と強調した。最高峰の舞台への挑戦が始まった。

今季開幕へ向け始動。ランニングで汗を流す小野伸二(手前右)らFC琉球の選手たち=14日、八重瀬町の東風平運動公園サッカー場(大城直也撮影)

 現時点で登録選手は29人。始動日は3選手が不在だったが、新加入の12人を含めた26選手が練習に臨んだ。午前は9時半から1時間ほどチームミーティングを行い、ストレッチやワンタッチパス練習などで、軽く汗を流した。

 選手の顔ぶれは大きく入れ替わった。昨季14得点と活躍した上門知樹、左SBで攻守の要の徳元悠平がファジアーノ岡山へ移籍した。

 一方、Jリーグ経験者の即戦力が多く加入した。注目選手は北朝鮮代表で元東京ヴェルディのDF李栄直(リ・ヨンジ)、J1ベガルタ仙台からは国内外で活躍した強力なFW阿部拓馬ら。J2以上から7人、海外からもスタメンを務められる選手が多く加わった。

 現時点での登録選手数は、昨年の新体制発表時よりも5人少ない。「少数精鋭で、同じレベルの選手を競わせたかった。バランスはよく取れている」と指揮官は納得の表情だった。昨季課題に挙がったリーグ最悪の80失点については「ボールの保持時間を長くし、守備に充てる時間を減らす」と攻撃的サッカーをさらに発展させる覚悟だ。

 樋口監督は今季を戦い抜くに当たって、二つの指針を掲げた。一つ目は42試合の連戦を戦い抜く「タフネス」さ。昨季は失点後に守備が崩壊し、大量失点を喫することも少なくなかったことから二つ目には「ビー・アラート(油断なくプレーすること)」を掲げる。常に緊張感を持ち、試合に臨むことを選手に求めている。

 新加入の阿部は自身の役割について「前での動き、運動量、精神力など発揮したい。昨年よりも上の順位を目指す」と闘志を燃やした。琉球の開幕戦は2月23日、千葉市のフクダ電子アリーナでジェフユナイテッド千葉と相まみえる。ホーム開幕戦は29日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアムでファジアーノ岡山と対戦する。開幕に向け1月22~25日、石垣市内で1次合宿を行う。

(喜屋武研伍)

◇主将上里、責任持ち昇格目指す

多くの記者に囲まれ質問に答える上里一将主将

 今季もキャプテンを託されたのは、宮古島市出身の上里一将(33)。「琉球のために責任を持ってプレーしたい。J1昇格を目指す」と地元舞台での活躍を誓った。

 樋口監督が「(主将は)上里しかいない」と続投が決まった。「全員が一つの方向を向いていない時、見えないところでも声掛けをし、方向性を示してくれた」と厚い信頼がある。

 上里は多くのJリーガーが加入した今季を「苦しい時は助けてくれるだろう」と見通す。開幕戦へ向けて「内容よりも勝つことが重要。サポーターに勝利を届けたい」と力を込めた。