豚コレラで野生イノシシ調査へ 沖縄県 最初に確認の養豚場から3キロ以内


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 沖縄県は豚コレラ(CSF)の感染拡大を防止するために、県猟友会の協力を得て野生イノシシの調査を始める方針だ。8日に感染が確認されたうるま市の養豚場から半径3キロ以内について、イノシシの感染の有無について調査を始める。

 県自然保護課によると、2018年度の県内のイノシシ捕獲実績は2810頭で、うち捕獲した市町村が分かるのは1207頭だった。捕獲市町村が判明しているうち石垣市が228頭と最多で、東村(147頭)や国頭村(135頭)、恩納村(122頭)、名護市(108頭)など本島北部でも多く捕獲されている。うるま市は17頭で、捕獲南限は石川岳周辺という。

 県外で豚コレラの感染が拡大した理由の一つとして、感染した野生イノシシの存在が指摘されている。他の動物はCSFウイルスに感染することはなく、体などに付着しても時間経過とともに死滅していく。しかしイノシシは体内でウイルスを増殖しながら広範囲を動くため、感染の拡大につながる。本島北部ではリュウキュウイノシシが、畑でパイナップルや野菜などを食い荒らす被害が出るなど、人間の生活圏とイノシシの活動範囲は重なる部分がある。県営農支援課によると、18年度の本島でのイノシシ食害被害額は967万5千円に上る。