「回答になっていない」 石垣陸自配備 周辺4地区が市長に再回答要請


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知念永一郎総務部長(左端)に要請書を手渡す小林丙次開南公民館長(左から2人目)ら4地区公民館長=10日、石垣市役所

 【石垣】沖縄県石垣市平得大俣への陸上自衛隊配備計画を巡り、配備に反対する配備予定周辺4地区(於茂登・開南・川原・嵩田)の公民館長が10日、市役所を訪れ、計画に関する4地区公民館の質問への回答が不十分だとして、市に再度回答するよう要請した。中山義隆市長宛ての要請書を、知念永一郎総務部長に手交した。

 市は2019年10月下旬に、4地区公民館に意見交換会の実施を要請した。4地区側は4月の意見交換会で出た質問や要望への回答もないとした上で、実施に向けて同11月5日付で(1)配備による自然・生活環境への影響がないという科学的根拠の提示(2)有事の際の住民避難計画の提示(3)配備により事故や有事が発生した場合の市長責任についての認識―への回答を求めた。

 市は同11月26日付で4地区側に回答。(1)については防衛省からの回答を基に「関係法令等を順守し、必要な措置を講じるとしている」などとした。

 (2)には「全島規模の武力攻撃やテロなどの事態が予測されたら、国・県より避難指示が発令され、それを受けて市長は市国民保護計画に基づき『避難実施要領』を作成し、全市民の島外避難が検討されることになる」とした。主に民間航空機・船舶を国・県が手配するとし、県の想定として全島民避難に1カ月程度要する予想だとした。(3)では地方自治法の規定に基づき、「防衛は国の専権事項だと認識している」とした。

 10日の要請の場で小林丙次開南公民館長は「((1)は)科学的根拠を示してほしいとしており回答になっていない」などとした上で、「これで誰が納得できるのか。4月から半年以上4地区側には回答もせず、また意見交換しようというのはあり得ない。誠意を見せてほしい」と批判した。

 知念部長は「((2)の)国民保護計画については、仕組みがそのようになっている」などと説明した上で、「精査して回答できるものは回答したい」と述べた。