豚熱 5例目疑い 沖縄県うるま市 発生3㌔圏外で初


この記事を書いた人 Avatar photo 米倉 外昭

 沖縄県内で豚熱(CSF、豚コレラ)の感染確認が続いている問題で、うるま市にある養豚場で新たに感染の疑いがある豚が見つかり、精密検査していることが18日、複数の関係者への取材で分かった。県は発生農場から半径3キロ以内に感染を封じ込めようと防疫措置をとっているが、検査対象の養豚場は3~10キロの範囲にある。検査結果が陽性だった場合には、3キロ圏外への感染が初めて確認される可能性がある。

 最終的な検査結果は19日にも公表される見通し。新たな感染の疑いは、県が10キロ圏内で進める検査で見つかったとみられる。

 8日にうるま市内の養豚場で豚熱の感染が確定して以降、18日までにうるま市と沖縄市で計4例の豚熱感染が確認されている。発生農場と人や物の出入りがある関連農場を含めた養豚場7カ所で、計9千頭余の豚が殺処分された。

 県は当初、感染が確認された養豚場から3キロ圏内にある養豚場で感染の有無を検査していたが、10日に沖縄市の養豚場でも発生したことを受けて、検査の範囲を10キロ圏内まで広げた。

 県によると、3キロ圏内の検査で対象となる16養豚場は全て「陰性」だった。3~10キロ圏内の対象は43養豚場で、18日までに32カ所が「陰性」、11カ所で検査中となっている。

 また、18日の県の発表で、10日に3例目の感染が確認された沖縄市にある養豚場について、うるま市の1例目の養豚場とふん尿を回収する業者が同一で、疫学的に関連があったことが分かった。運搬に使っていた車両が同じものだったのかなど、さらに詳しい調査を進めている。

 県は農水部職員8人で構成する疫学調査チームを17日に立ち上げ、現在、発生農場と関連がある養豚場6カ所を調査している。

 うるま市で殺処分が行われた4養豚場は18日に家畜防疫員による調査を経て、清掃・消毒など現場の防疫措置が全て完了した。沖縄市の3養豚場は19日に防疫措置が完了する見込み。