「たくさん思い出つくりたい」 閉校する小学校の児童、そろいのTシャツで完走 海洋博トリムマラソン


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閉校前の思い出づくりに参加し、見事全員が完走した崎本部小の児童=19日午前、本部町の海洋博公園

 【本部】「遅いあなたも主役です」をテーマに第41回海洋博公園全国トリムマラソン大会(主催・国営沖縄記念公園事務所、同大会実行委員会、共催・本部町、沖縄美ら島財団、琉球新報社)が19日、本部町の海洋博公園を主会場に開催され、4251人が完走した。

 ファミリーエンジョイ公園コース(約3・5キロ)には地元本部町から、3月末に閉校する崎本部小学校の児童18人が参加した。おそろいのTシャツの背中には全員の似顔絵。見事に全員が完走し「お別れの前の良い思い出になった」と笑顔の花を咲かせた。

 過疎化で児童数が減少し、現在は6年生2人、5年生5人、4年生4人、3年生3人、2年生4人。児童は4月以降、町内の本部小や瀬底小、上本部小への編入が決まっている。「閉校前の思い出づくりに」と今回、全員で初めてトリムマラソンに参加した。

 6年生の前田さくらさん(12)と江口まこさん(12)は「みんなでできる行事が一つずつ終わっていく」とさみしげ。それでも「一致団結して走り切れたことが良かった」と口をそろえる。

 中には県外に行く児童もいる。4年生の奥村拓都さん(10)は父の実家がある岐阜県に移る。「引っ越しは嫌だけど、また会える。それまでにたくさん思い出をつくりたい」。上本部小に転入予定の4年生日高優さん(10)も「みんなで一緒に走れて楽しかった」と満足そうだった。

 18人で過ごす崎本部小生活も残り2カ月余り。5年生の江口遼さん(10)は「離れてもみんな仲良し。最後までみんなで楽しみたい」。絆は固く結ばれている。