玉城朝薫家譜を31日から公開展示 浦添美術館 近親者が市に寄付


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浦添市に寄贈された「向姓家譜(邊土名家)」。「十世」の欄に玉城朝薫の名前がある

 「向姓(しょうせい)家譜(邊土名家)」(通称「玉城朝薫家譜」)がこのほど、浦添市に寄贈された。邊土名家近親者から昨年11月27日、寄贈の申し出があった。市は今後、向姓家譜の市の文化財指定のほか、日本遺産のストーリーを構成する文化財への追加登録を予定している。同家譜は31日から2月11日まで、浦添市美術館で開かれる展覧会「浦添の日本遺産と玉城朝薫家譜展」で公開展示する。

 向姓家譜は、1976年に那覇市が翻刻し、那覇市史資料編にも収録されている。しかし原本は、84年に旧沖縄県立博物館で開催された「玉城朝薫生誕300年記念展」に展示されて以来、邊土名家と関係者が保管し、人々の目に触れることはなかった。

 家譜は尚真王の第3子今帰仁王子朝典5世の孫・6世朝智(1563~1640年)から18世朝愈(1865年)まで、約300年、28人の男系一族が記録されている。朝薫は10世にあたり、1706年に島津藩主・吉貴の命で仕舞「軒端の梅」を舞ったことや、1719年「球國故事をもって戯を作るはこれより始まる」と組踊を演じたことなどが書かれている。

 展覧会の問い合わせは浦添市教育委員会文化財課(電話)098(876)1234。