長線つないだ芸能交流 御座楽復元研究会愛知・知立で演奏


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「一更裡(いちこうり)」を演奏する御座楽復元演奏研究会=2日、愛知県の知立市文化会館(パティオ池鯉鮒)花しょうぶホール

 【愛知県で田中芳】愛知県知立市文化会館開館20周年の記念事業「市民とつくる舞台芸術プロジェクト 長線(ちゃんせん)がつなぐ知立と沖縄」が2日、同会館(パティオ池鯉鮒)で開催され、琉球の宮廷音楽を復元演奏している御座楽復元演奏研究会(山内正子会長)の12人が「蓮花落(れんからく)」や「太平歌」など5曲を演奏し、宮廷式楽の格調ある美しい音色や歌声を響かせた。

 琉球王朝の宮廷音楽楽器「長線」が1991年、知立市の無量壽寺(むりょうじゅじ)に伝えられていたことが分かり、同研究会は名古屋市の徳川美術館や蒲郡市で御座楽復元演奏会を開くなど、長線をつないだ交流を続けている。

 公演では知立山車文楽保存会の「二人三番叟(さんばそう)」や知立からくり保存会の「平治合戦」、琉球舞踊玉城流扇寿会の舞踊「四つ竹」も披露されたほか、知立の山車文楽の新作舞台「立体パノラマ絵草紙『おさき玉城恋の八橋』」の一部を上演した。同研究会の山内盛貴(せいき)さんの長線弾き語りによる「紗窓外(さそうがい)」に乗せた文楽人形遣いの豊松清十郎(せいじゅうろう)さんら3人による「楽童子の舞」も披露され、観客は伝統芸能の共演にじっくりと見入った。