野球好き 育てたい 元プロ選手・大野倫さん 子ども向けに体験授業


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
野球の魅力を伝えるプログラムで園児に投げ方を指導する大野倫さん(提供)

 元プロ野球選手で、中学生対象の硬式野球チームで指導しながら野球の楽しさを伝える活動をしている大野倫さんが運営資金をクラウドファンディングで募っている。昨年4月、NPO法人「野球未来.Ryukyu」を立ち上げ、県内外の小学校などで野球の魅力を伝える授業を実施してきた。活動が反響を呼び、離島地域を始め県外からの依頼も多い。だが、資金面から全てに応えられず、今回クラウドファンディングの活用を決めた。受け付けは今月末まで。「一過性の活動ではなく、子どもたちが野球に触れられる環境を継続して続けたい」と野球の楽しさを知ってもらうため駆け回っている。

 少子化や他競技への分散などで、全国的に野球の競技人口は減少傾向にある。「甲子園で勝ち進むと、車も人も町から消える」と言われるほど野球熱の高い沖縄も例外ではない。大野さんのNPO法人によると、中学軟式野球部の2008年の全国部員数は30万958人だったが、18年は約45%減の16万6800人。10年間で半数に減った。

 大野さんが理事長を務める野球未来.Ryukyuは、学校の体育の授業で行う「野球型」レクリエーションを提案。「野球が好きになるきっかけをつくりたい」と投げ方や打ち方、野球の技術を用いたレクリエーションなどを無償で行う。これまで延べ50校で園児や児童に楽しんでもらいながら野球の面白みを伝えてきた。大野さんは「将来的には元プロ選手が僕と同じように野球の楽しさを伝える活動ができるよう、成功モデルを作っていきたい」と夢を抱く。

 目標金額は150万円で3~7月末までの活動資金に充てられる。受け付けは31日午後11時まで。大野さんのフェイスブックなどSNSを通じ、日々の活動を紹介している。「野球って楽しいと一人でも多くの子どもに気付けてもらえるような環境、きっかけをつくっていきたい」と協力を呼び掛けた。