「事故を心配していた」繰り返す事故に住民不安 米軍ヘリ本島沖墜落 沖縄の米軍機墜落事故は復帰後51件【年表付き】


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 【中部・北部】「事故を心配していた」「訓練水域の撤去を」。沖縄本島の東沖に25日、米軍の特殊作戦用MH60ヘリコプターが墜落したことを受け、本島東側のうるま市などに住む人々は不安の声を上げた。日本復帰以降、県内の米軍機墜落事故は今回の事故で51件に上る。

ホワイトビーチに到着した強襲揚陸艦アメリカの甲板にあるMH60ヘリコプターとみられる機体=22日午後4時37分、うるま市

 米軍ホワイトビーチ周辺海域にあるモズクの養殖場では、収穫の最盛期を迎えている。与那城町漁業協同組合の玉栄将幸組合長は「海に落ちて油漏れがあれば、養殖に影響が出るかもしれない」と話す。周辺で米軍ヘリの飛行や夜間訓練が頻繁にあることに触れ「いつ事故が起きるかと心配していた。原因は分からないが、事故であれば遺憾だ」と不快感を示した。

 ラジオで一報を聞いたうるま市島ぐるみ会議の伊芸佑得事務局長は「うるま市では米軍機の飛行やパラシュート降下訓練などが常態化している。市議会も何度も抗議しているが日米政府は聞く耳を持たない」と憤った。度重なる米軍機の事故を振り返り「現状を変えるためには訓練水域の撤去も視野に入れる必要がある」と話した。

 墜落機の同型機は国頭村と東村にまたがる米軍北部訓練場やその返還地上空でも訓練飛行を繰り返している。周辺での米軍機訓練をたびたび目撃しているチョウ類研究者の宮城秋乃さんは「ダム上空での米軍機飛行などについて情報を発信しても(慣れてしまって)周囲の反応が薄いと感じる」と指摘。「市民が低空飛行や民間地上空飛行を監視しなければならないし、そもそもやめさせる必要がある」と訴えた。