ヘリ墜落の翌日も日米共同訓練を続行 識者批判「危機意識ない」


この記事を書いた人 Avatar photo 大城 誠二
沖縄本島東の沖合に墜落した米海軍MH60ヘリコプターの同型機(2008年撮影)

 米海軍第7艦隊のMH60Sヘリコプターが25日に本島沖で墜落した翌日の26日、米海軍は沖縄周辺海域で陸上自衛隊や海兵隊との共同訓練を続行した。訓練は墜落した日の25日から始まった。陸自はMH60Sは共同訓練に参加していないとしているが、軍事に詳しい市民団体からは「関連していると考える方が自然だ」との指摘がある。県が飛行停止要求を含め対応を検討する中での訓練続行に対し識者は「事故に対する危機意識が全くない」と批判している。

 在日米軍の動向を監視している団体「リムピース」の調べによると、事故機が載っていた第7艦隊の指揮艦ブルーリッジは22日に母港の横須賀海軍施設(神奈川県横須賀市)を出た。25日からの共同訓練に参加を明示していた米艦船3隻がうるま市のホワイトビーチに入った時期と重なる。米艦船は、ドック型輸送揚陸艦グリーンベイが20日、強襲揚陸艦アメリカとドック型揚陸艦ジャーマンタウンが22日に入港している。
 リムピースの頼和太郎編集長は、指揮艦であるブルーリッジが沖合の離れた場所で作戦の指揮を執る役割であることから「今回の訓練にも関与していたと考えるのが自然だ」と説明した。
 事故の詳細について米海軍第7艦隊や防衛省は26日午後10時現在、原因などの新たな情報を発していない。ブルーリッジはこの日も沖縄近海の事故現場の周辺に停泊していた。