やんばる国立公園を拡張へ 環境省の審議会 西表は開発規定を強化する


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 【東京】環境省の諮問機関・中央環境審議会は27日の会合で、やんばる国立公園、奄美群島国立公園で公園区域を拡張するほか、2国立公園と、西表石垣国立公園の一部で開発規制を強化することを柱とした公園区域や計画の変更を了承した。2月中の告示で正式に有効となる。

 やんばる国立公園の南西では公園区域を41ヘクタール拡張する。同公園では2018年にも、米軍北部訓練場跡地を公園区域に追加する大規模な見直しが行われた。その後の調査で、公園南西地域において樹齢55年程度の照葉樹林やノグチゲラ、ヤンバルクイナなどの希少動物の生息が確認されたことを受け、拡張を決めた。

 西表石垣国立公園では、約2千ヘクタールを「第2種特別地域」から、開発がより厳しく規制される「第1種特別地域」に格上げする。浦内川や仲良川などの河川で陸水性魚類の多様性が豊かであることが改めて評価された。流域ではイリオモテヤマネコをはじめとした希少な動物が生息し、山から海まで一体的に保護する必要があるとした。

 奄美群島国立公園でも、アマミノクロウサギやオオトラツグミなどの生息地となっている21ヘクタールを公園区域に加える。一方、一部を公園区域から外すなどの変更がある。

 「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」は2020年の世界自然遺産登録を目指して昨年2月、国連教育科学文化機関(ユネスコ)へ推薦書が提出されている。環境省によると、今回の変更に伴う推薦書の見直しなどは生じないという。