【うるま】上地流空手道南原守礼館に通う新垣巧巳さん(31)=市勝連南風原=が空手の稽古に励んでいる。生後間もなく水頭症を患い、小学校に上がるまでに計4回手術を受けた新垣さん。体のバランスがうまく取れない時もあるが、昨年8月には黒帯(初段)の昇段試験に合格した。「空手は自分の宝物だ」と胸を張る。
3年半前、道場の門をくぐった。テレビで喜友名諒選手の勇姿を見て「空手をやりたい。強くなりたい」と思ったことがきっかけだった。
島袋常雄首席師範は当初、続けられるだろうかと気に掛けたが心配は無用だった。週3回の稽古はほとんど休まずに参加し、他の生徒の模範になっているという。
型の一つ「十三(セーサン)」の習得には時間がかかったが、島袋首席師範からは「必ずできるようになるから焦るな」と伝えられた。
教えの通り焦らず練習を重ね、昇段試験では見事「十三(セーサン)」を決めることができた。
新垣さんは「空手で心身共に鍛えられ、自信につながった」と話す。周囲の応援もエネルギーになっているといい、今後も空手の鍛錬に努める決意を固める。