首里高(女子)、54年ぶりに優勝 バレーKBC杯 逆転を引き寄せたものとは


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 バレーボールのKBC学園杯第68回全沖縄高校冬季選手権大会は最終日の27日、那覇市民体育館で男女決勝リーグの残り4試合ずつを行った。男子は美里工業が3戦全勝し、6年ぶり11回目の優勝を達成。女子は首里が54年ぶり2回目の頂点に立った。

 男子2位は西原、3位は名護、4位は首里。女子2位は那覇、3位は知念、4位は前原だった。

 男女の上位4校は2月7~9日に鹿児島県で開催される第30回全九州選抜大会に出場する。

ミス少ないプレーに我慢で逆転 首里高

女子決勝リーグ 首里―那覇 第1セット、ブロックポイントを決める首里の新垣茉侑(右)と與儀柚依佳=27日、那覇市民体育館(新里圭蔵撮影)

 ミスの少ないプレーで、半世紀以上ぶりの栄冠を手にした女子首里。昨年11月の新人大会は8強止まり。安定したレシーブで春高バレー出場をけん引した3年生も引退し、守備力に不安を抱えた中での大会だったが、「試合ごとに安定感が増していった」(東風平和成監督)と指揮官すらも驚かせる急成長ぶりで、一気に頂点へと駆け上がった。

 新人大会で優勝した西原を準々決勝で破り、勢いに乗った。

 那覇との決勝リーグ最終戦は1セット目を危なげなく取り、勝負の2セット目。那覇に先行されて最大4点差を付けられたが、相手のミスに乗じて食らいつく。我慢の結果、終盤で21―20と逆転に成功し、そのまま逃げ切った。

 レシーブ力に不安がある中、「セッターが動いてもいいから、まずはサーブやスパイクを上げることを優先した」(新垣茉侑主将)と最低限の目標を設定した結果、つなぐバレーにつながった。攻撃にリズムが生まれ、中盤から圧倒した。

 春高バレーでベンチ入りした唯一の2年生で「みんなを引っ張らないと」と重圧も感じていたいう新垣主将。我慢の時間帯に何度もスパイクを決め「メンタルでも鍛えられた」と満足げ。九州大会でも「せめて1勝して、経験を積みたい」と貪欲に成長を求める。
 (長嶺真輝)

厚い攻撃 的絞らせず 美里工

男子決勝リーグ 美里工業―西原 第1セットを先取し、喜ぶ美里工業メンバー

 攻守で進化した美里工が宿敵・西原を圧倒した。昨年11月の新人戦に比べ、レフトのエース饒平名丈衣への依存度が減り、トスを分散させて的を絞らせない。守備でもクイックを多用する西原の速い攻撃にタイミングを合わせ、好レシーブとブロックを連発。呉屋一輝監督は「つなぎが良くなり、攻撃でもいろんなところから打てるようになった」と手応えを語った。

 攻撃に厚みを加えたのは嵩元盛頼主将やセンターの山根祐貴。嵩元は巧みなブロックアウトで加点し、山根はクイックで中央から打ち抜いた。

 饒平名は「自分が目立たないのはボールが飛び交ってる証拠。安心してプレーできた」と仲間への信頼感が増した様子だ。

 全員バレーに磨きを掛けた美里工。守備ではブロックで相手のスパイクのコースを限定し、粘り強く拾い続けた。

 嵩元主将は「ブロックとレシーブの連係が良かった。九州までにさらに守備を鍛え、上位にいきたい」と力強く語った。
 (長嶺真輝)


 【男子】
▽決勝リーグ2日目
美里工 2 25―22 0 西原
      25―14

美里工 2 25―20 0 名護
      25―16

名護 2 25―19 1 首里
     18―25
     25―19

西原 2 25―17 0 首里
     25―9
▽同順位 (1)美里工3勝(2)西原2勝1敗(3)名護1勝2敗(4)首里3敗

 【女子】
▽決勝リーグ2日目
首里 2 25―16 0 那覇
     25―21

首里 2 25―14 0 知念
     25―15

那覇 2 25―15 0 前原
     25―19

知念 2 16―25 1 前原
     25―22
     26―24
▽同順位 (1)首里3勝(2)那覇2勝1敗(3)知念1勝2敗(4)前原3敗