首里城下の日本軍司令壕公開、沖縄県が検討に含み 「困難」から一転 有識者懇委員が調査求める


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 首里城再建の方向性について話し合われた28日の有識者懇談会では、一般公開が求められている首里城の地下にある日本軍の第32軍司令部壕の調査を求める声が上がった。昨年12月に県は「公開は困難」との見解を示したが、この日は「委員から意見が出たら(公開を)検討せざるを得ない」と再検討に含みを持たせた。今後3回にわたって話し合われる議論の行方が注目される。

 司令部壕をめぐっては、県が1997年に保存公開計画を策定しながらも、安全上の観点から公開を見合わせた経緯がある。

 この日は、懇談会終了後に開かれた会見で報道陣から質問が飛んだ。記者が壕の一般公開を求める声が根強いとして「県として検討する余地はあるか」と問うと、前原正人秘書防災統括監は県子ども生活福祉部の所管とした上で、委員から意見が出た場合に「部局に伝え、基本方針を取りまとめる中で検討せざるを得ない」と回答した。

 懇談会会長を務める下地芳郎沖縄観光コンベンションビューロー会長も「委員から改めてしっかりとした調査が必要だとの意見が出た」とし、「県の内部でしっかり検討していただければと思う」と求めた。