白保ホテル建設差し止め提訴が結審 那覇地裁 業者は現計画を断念


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 石垣市白保で計画されるリゾートホテル建設を巡り、漁業行使権や営業権などが侵害されるとして、白保で漁業やシュノーケリングガイド業などを営む住民7人が開発事業者の日建ハウジングを相手にホテル建設差し止めを求めた訴訟は28日、那覇地裁(平山馨裁判長)で結審した。裁判の進行協議中、業者側が現行計画では建設できないと認めた。判決は3月3日に言い渡される。

 訴訟は住民側が2018年9月に提起した。業者が計画している汚水処理方法は浄化が不十分で、地下浸透で汚水が海域に流入することで生態系が破壊されるなどと主張した。業者側は住民側の請求を棄却するよう求めていた。

 業者側は今月22日、住民側への文書で、現行計画では建設できないことを認めた。住民側は訴訟を継続する必要がなくなったことから、裁判所に請求の取り下げを求めたが、業者側は不同意とした。

 住民側は建設の断念ではないとして注視し続ける考えだ。

 弁論後、県庁で会見を開き、原告の新里昌央さん(39)は「工事が進まないことにひとまず安心している。今後も引き続き、海を汚すなどの問題があれば立ち向かっていきたい」と話した。