「何もかも焼き尽くされた」 長時間の火災で物証少なく 沖縄県警、鑑定も原因特定できず


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 県警は火災発生翌日の昨年11月1日から那覇市消防局と合同で現場の実況見分を開始した。燃焼が激しかった正殿の北東部を火元と見て、灰やがれきの中から火災原因を探った。同時に首里城公園内に設置された68台の防犯カメラ映像の解析を進め、火災当日に有料区域内に入ったイベント関係者や警備員らへの聞き取りも連日行った。

 11月7日、正殿北東から配線の焼け残りと見られる金属片46点の遺留物を回収し、実況見分を終えた。遺留物は県警科学捜査研究所で鑑定を実施し、金属片から原因特定につながるショート痕を探した。研磨した金属片の資料を科学警察研究所(東京都)に提供し、助言を求めた。

 映像分析や関係者への事情聴取などから何者かの侵入や放火などの犯罪には該当しないと県警は判断。今月に入り、科捜研の鑑定結果と捜査資料がまとまり捜査の終結を決めた。県警捜査第1課は「物証は少なくはなかったが、長時間に及んだ火災で何もかも焼け尽くされていた」と説明した。