AVSSと韓国医療ベンチャーが共同開発へ協約を締結 開発する治療薬とは…


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
感染症治療薬の共同開発に向けて協約を結ぶAVSSの小林信之社長(左)と韓国・Abcontekの孫泳善社長(右)=29日、うるま市の沖縄ライフサイエンス研究センター

 うるま市で感染症検査キット開発などを手掛けるAVSS(エーヴィス、小林信之社長)と、韓国ソウル大学発のベンチャー企業で、感染症抗体開発のAbcontek(アブコンテック、孫泳善社長)が29日、感染症治療薬の共同開発に向けた協約を締結した。今後、B型肝炎などウイルス感染症の治療薬開発を目指す。

 ウイルス感染症の治療薬には、ウイルスに対抗する抗体が必要となる。アブコンテックは抗体を作成する技術を持っていて、B型肝炎については既に抗体候補を作っているという。AVSSは抗体が本当に効果的かを評価する技術を持ち、両社の強みを生かして治療薬開発を進める。

 小林社長は「感染症は途上国で流行することが多い。値段が抑えられて利益が出にくいため大手製薬会社も治療薬開発にあまり積極的ではない。両社が協力することで、十分に競争できる」と話した。B型肝炎については2~3年で開発のめどをつけ、将来的にコロナウイルスも含め幅広い感染症の治療薬開発を検討する。

 孫社長は「抗体を作る技術が強みだが、作った抗体を評価するところがなかった。AVSSと協力することで、相乗効果を上げられる」と期待した。