西表入島は1日1230人に制限 世界自然遺産部会 年間では33万人、IUCNに提出へ


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 【西表島=竹富】世界自然遺産候補地地域連絡会議の西表島部会が30日、竹富町西表島の中野わいわいホールで開かれ、同島における2020、21年の入島上限人数の目標となる基準値を年間33万人とすることなどを定めた「持続可能な西表島のための来訪者管理基本計画案」を了承した。政府が2月に国際自然保護連合(IUCN)に提出する。

 夏季などのピーク時については上水道の供給能力を踏まえて、1日当たり1230人に設定する。

 基準値は18年までの過去10年間(東日本大震災の影響が大きかった11年を除く)の平均で算出した。基準値と18年実数(約30万人)を基に算出した1年ごとの変動量として、前年比上下最大1割の範囲を設定。20年で33万人、21年で36万人を最大受け入れ目標とする。22年以降の基準値は、再度設定する。

 混雑時期の周知などで観光客にピーク期間外での来訪を促し、年間平準化への取り組みを進める方針。環境・住民生活への影響抑制や経済波及効果を高める観点から、観光形態の主体を日帰り型から滞在型に移行する方針も定めた。

 部会では基準値について構成委員から異論は出なかったが、基準値を超えた場合の対策明記を求める声があった。

 滞在型観光促進に関する質疑に対して、県の担当者は滞在型が増えると水道使用量も増加するとして、ピーク時基準値は下げなければならないとの認識を示した。