空港にホテルやショッピングモール… 那覇空港を世界水準にするためにどうすれば? 3月の第2滑走路利用開始前にシンポ


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
那覇空港の課題や目指すべき将来像などを話し合うパネルディスカッションに登壇した(左から)下地芳郎氏、白石武博氏、當銘健一郎氏、加藤一誠氏、松本秀暢氏=31日、那覇市のロワジールホテル那覇

 那覇空港第2滑走路の利用開始に向けて、目指すべき将来像などを話し合う大那覇空港シンポジウム(那覇空港拡張整備促進連盟など主催)が31日、那覇市のロワジールホテル那覇で開かれた。県内の企業関係者など約800人が参加。パネルディスカッションでは大学教授や県内の観光関係者などが登壇し、那覇空港の課題やさらなる機能強化を検証したほか、3月に迫った第2滑走路利用開始後の長期展望などを探った。

 主催者を代表して那覇空港拡張整備促進連盟の石嶺伝一郎会長(県商工会議所連合会会長)は「世界最高水準の国際リゾートビジネス空港をつくることがコンセプトだ。空港にホテルやショッピングモールなどを整備して、飛行機に乗らない人も訪れる空港にしたい」と目標を示した。

 慶応大の加藤一誠教授、神戸大大学院の松本秀暢教授が基調講演し、那覇空港の現状や今後の成長可能性などを紹介した。

 パネルディスカッションには加藤教授と松本教授のほか、沖縄観光コンベンションビューローの下地芳郎会長、那覇商工会議所観光サービス部会の白石武博副部会長、沖電工の當銘健一郎専務が登壇した。

 白石氏は、那覇空港はレンタカーなど2次交通への乗り継ぎに課題があると指摘し、「利用客が満足していると言い切れない状況だ。クレームを受けてサービスを見直す体制では国際競争力のある空港になれない」と警鐘を鳴らした。

 空港ターミナルの機能を強化して、プライベートジェットなども受け入れ可能にすることを提案した。

 當銘氏は、2本の滑走路の間を埋め立てて新たなターミナルを建設することで、那覇空港の発展につながることを強調した。「クリアすべき課題は多いが、県民が熱意を持って頑張ることで新ターミナルは実現できる。新しい沖縄振興計画には那覇空港の長期的なビジョンを盛り込んでほしい」と話した。

 下地会長は滑走路増設などのインフラ整備に加えて、観光地としての魅力をさらに高めることの必要性を訴えた。海外の航空路線を誘致するため「沖縄に行ったらどのような価値があるのか知ってもらうことが重要だ。沖縄に来る人の期待に応えることが第一歩になる」と力を込めた。