プロバスケットボールBリーグ1部の琉球ゴールデンキングスは1日、東京の青山学院記念館で天皇杯王者のサンロッカーズ渋谷(東地区4位)と今季第33戦を行い、延長にもつれ込む激戦の末、73―75で競り負けた。2連敗となり、通算成績は21勝12敗で西地区2位のまま。お互い強度の高い守備で接戦となったが、キングスは勝負所でのターンオーバーが相次いだことが敗因となった。次戦は2日午後2時5分から同体育館で渋谷と対戦する。
12点対27点。相手のターンオーバーから得た点数で水を開けられたキングス。序盤から強度の高い守備を維持し、何度もリードを奪ったが、勝負所で相手の強いプレッシャーにガード陣が相次いでミスを犯し、勝ちきれなかった。
前半をほぼ互角の展開で折り返し、先に抜け出したのはキングスだった。この日、両チーム最多の29点を挙げたデモン・ブルックスが第3Qで攻守に爆発し、5点のリードを奪う。第4Qも速攻からの得点で中盤に引き離しかけたが、5秒バイオレーションや石崎巧のターンオーバーを機に、残り3分を切って逆転を許した。
ジャック・クーリーにボールを集めて延長に持ち込むも、1点リードの残り1分でまたも8秒バイオレーションや並里成のターンオーバーで離しきれず、ひっくり返された。
「終盤のミスが響いたので、そこだけ改善すれば」と反省を口にする並里。ターンオーバーを5つ犯し「危機感はあるので、チャレンジしていきたい」と気合を入れ直した。
接戦となった3日前の大阪戦も終盤で引き離されたキングス。岸本隆一は「こういうクロスゲームを落とすと、いい成功体験が積めない。ミスは起きるものだが、起きた時にもっと反省を生かさないといけない」と修正力の向上を誓った。
(長嶺真輝)
SR渋谷(23勝11敗)
73―75(24―21,14―16,12―18,16―11,延長9―7)
キングス(21勝12敗)
【評】お互いに強度の高い守備を終盤まで維持していたが、勝敗を分けたのはターンオーバーの数だった。キングス22回に対し、渋谷は16回。後半の最後や延長の勝負どころで再三リードを奪いながら、ガード陣のミスが相次いで突き放すことができなかった。
非常に悔しい敗戦
藤田弘輝HC(キングス)の話 選手は全力でプレーしていたので、勝たせてあげたかった。非常に悔しい敗戦。延長の攻撃ではクーリーを起点に攻めていった。もったいない失点も多かったので、次戦に向けてターンオーバーを減らせるようにしたい。
集中できたこと勝因
伊佐勉HC(渋谷)の話 守備のポジショニングやヘルプが特に悪かったが、プレッシャーをかけ続け、リバウンドで絡めたことは良かった。審判の判定に左右されず、集中できたことも勝因だ。自分自身は初めてキングスに勝てたので、ちょっとうれしい。
沖縄コンビ攻守に躍動 渋谷の山内、渡辺
何度も勝利をつかみかけたキングスの前に立ちはだかったのは、サンロッーズ渋谷で主力として活躍する山内盛久と渡辺竜之佑の県出身コンビだった。
ガードとして冷静な試合コントロールを見せた山内。延長残り2分を切り、渋谷3点ビハインドの場面で起死回生の同点3点弾も沈め「勝負所で使ってもらったので、勢いを付けたかった」と手応えを語った。
先発出場した渡辺は並里成や岸本隆一らキングスのガード陣に激しいプレッシャーをかけ続け、積極的なリバウンドでも勝利に貢献。次戦に向け「2人(岸本と並里)ともレベルの高いガードなので、今日の内容には満足していない。反省点を修正したい」とよりハードなプレーを誓った。