ウイルスの侵入ルート分からず 豚熱5例目 沖縄県が感染経路とワクチン接種へ準備急ぐ


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 県内で5例目となる豚熱(CSF)発生が確認され、今後は感染ルートの確認などが進められる。新たに感染が見つかった養豚場は、既に感染が確認された場所からわずか200メートルの近距離にあった。周辺の養豚場と豚や人などの行き来は現時点で確認されず、ウイルスの侵入ルートは分かっていない。養豚場が近接する県内では今後も感染が広がる可能性があり、県は早期のワクチン接種に向けて準備を進める。

 今回の発生養豚場は衛生管理基準に対応した飼育を進めており、県の担当者は「特段、大きな問題がある養豚場ではないと報告を受けている」と説明する。県の検査で1度は陰性の結果が出ていることから、検査後にウイルスが侵入したことも考えられる。

 イノシシの生息が確認される地域ではなく、小動物や野鳥などがウイルスを運んだ可能性も含めて調査する。担当者は「一般的にウイルス感染から発症まで3日程度と言われる。ウイルスの量も関係する。国の疫学調査チームの報告で原因は明らかになってくる」と指摘した。

 沖縄は豚熱のワクチン接種推奨地域に指定されており、県はプログラムを策定して2月中旬までの接種開始を目指す。策定作業はほぼ完了しており、農林水産省への正式な提出を前に、最終的な点検作業を行っている。豚熱の発生は中部エリアに集中しているが、北部や南部への感染拡大を懸念する県内の養豚関係者から早期のワクチン接種を求める意見も上がっている。