「大きくなる豚をどうしたらいいか」 移動制限延びて苦悩する養豚場 5例目発生農家は「ショック」力なく


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 【中部】沖縄市で新たに豚熱(CSF)の感染が確認された養豚場を経営する関係者は3日、本紙の取材に「予想もしなかった。青天のへきれきだ」と力なく語った。新たな感染発覚で移動制限などの解除が長引き、制限区域内の養豚関係者は「大きくなる豚をどうしたらいいか」と不安を募らせている。

 関係者によると、検査で一度「陰性」だったが、豚が死んでいることを確認し、1日に県へ報告した。「取引先に申し訳ない。かなりの痛手だ。従業員も非常にショックを受けている」と吐露した。

 近隣の養豚場で感染が確認されていたこともあり、消毒を徹底するなど警戒していた。本島北部や南部にも経営する養豚場があることから感染の拡大を懸念し「防疫体制を強化するしかない。漏れがないか再度確認したい」と話した。

 発生農場から3キロ圏内は豚や物品の移動が完全に制限されている。沖縄市の担当者によると、市内農家から「豚が大きくなりすぎては困る。出荷する手段はないか」と相談があったという。うるま市の担当者は「心苦しいが、農家には終息まで耐えてもらうしかない。行政も一緒になり対処していきたい」と述べ、国や県と連携を強化する考えを示した。