国内最大級のIT見本市開幕 新技術で県経済発展へ <焦点インタビュー>リゾテックオキナワ実行委員長・稲垣純一氏


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稲垣純一委員長

 「国内最大級のIT見本市」をうたい、136社を集めて初開催される「リゾテックオキナワ おきなわ国際IT見本市」。沖縄の諸課題と先端の情報技術を結び付け、県経済発展やリゾート機能の高度化、企業の生産性向上などにつなげる狙いがある。主催する実行委員会の稲垣純一委員長(県情報産業協会副会長)に、開催の意義や今後の展望などを聞いた。

 ―リゾテックとはどのような概念か。

 「リゾートとテクノロジーを掛け合わせた造語で、沖縄の基幹産業の観光と情報通信を中心に、関連する全産業の発展や課題解決につながる技術といった意味合いがある。今回のイベント名だけを指すのではない。沖縄という国内最大のリゾート地にさまざまな可能性を秘めた情報技術を集積し、掛け合わせてさらに発展させ、この分野で沖縄を世界有数の地にしたいという思いがリゾテックに込められている」

 ―国際見本市の取り組みについて。

 「ITはそれ自体が大きな産業だが、ITを生かして他のさまざまな産業を活性化させることで、人手不足の解消や生産性の向上などにつなげることができる。全国、アジア、世界から多数の企業が参加し、さまざまな情報技術が集まり重なり合うことで、新たな付加価値や社会を豊かにする原動力が生まれる場となることを期待している」

 ―沖縄という場所の強みや可能性をどう考えるか。

 「観光産業が盛んで国内外から多くの人が訪問しているほか、アジアの国々と地理的に近い。近年は情報通信産業の集積も進み、県がアジアと沖縄、首都圏をつなぐ『沖縄国際情報通信ネットワーク』など情報通信ハブの機能を整備している利点もある。沖縄は新たな情報技術やアイデアを世界に広められる可能性を秘めていると思う」

 ―今後の展望は。

 「リゾテックの考え方に基づいた新技術開発などの実証実験が、すでに県内でいくつも動き始めている。全てが成功とはいかないかもしれないが、トライアルアンドエラーを多くできる環境があれば、その中からとてつもなく成功する事例が出るかもしれない。沖縄でリゾテックの研究開発を進めることで、リゾート機能の高度化や産業の発展につなげ、さらに人や技術が集まる好循環を生み出すことにつなげたい」
 (聞き手 外間愛也)