寄付金で首里城正殿を再建 沖縄県、「国実施」の方針を転換


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
面談後、記者の質問に答える玉城デニー知事(左)と城間幹子那覇市長=6日、県庁

 玉城デニー知事は6日、国内外から県や那覇市に寄せられた首里城の復元に向けた寄付金を一本化し、全焼した正殿など城郭内の施設再建に充てる意向を初めて表明した。首里城の城郭内は国営公園のため、県はこれまで正殿などの整備は国が実施するとしていたが、寄付者の意向を踏まえ、正殿などの復元に充てることに方針を変えた。県と那覇市に集まった寄付金計約24億円は国への譲渡ありきではなく、県が主体性を持って再建に使用したい考えだ。具体的な復元箇所については今後、城郭内を所有する国と調整する。

 6日、県庁での城間幹子那覇市長との非公開の会談で合意し、記者団に明らかにした。5日現在、県には約10億7000万円、那覇市には約13億6600万円の寄付金が寄せられている。那覇市は県に寄付金を託す方針。県はそれぞれの寄付金を集約するため、首里城の復旧関連で計上された予算や県などに寄せられた寄付金が基金として積み上げられる首里城復興基金条例案を2月定例会で提案する。

 玉城知事は会談後、記者談に対し「首里城復興は県民主体で取り組んでほしいというのが、県や那覇市に(寄付金を)託された方の思いだ」と言及。復元が国との共同事業になるのか、施設ごとに分けて整備するのかなど具体的な手法については「いろいろなことが想定される。国と話し合いたい」と述べた。

 城間市長は「寄付金の使途に関する県の考えを了承した。早期の復旧復興に向けて県と連携協力しながら全力で取り組みたい」と話した。