検討委議事録作らず 石垣陸自計画 予定市有地売却額決定「不透明」批判相次ぐ 野党、議会で追及へ


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
石垣市有地を防衛省に提供しないよう求めるアピール行動を実施する石垣島に軍事基地をつくらせない市民連絡会のメンバーら=4日、市役所前

 【石垣】石垣市平得大俣への陸上自衛隊配備計画を巡り、市は5日に公有財産検討委員会(委員長・川満誠一副市長)を開き、配備予定市有地の売却額・貸付料を決定し、沖縄防衛局への市有地提供の準備を整えた。ただ同検討委は議事録を作成しておらず、意思決定過程が不透明だとして批判が相次ぐ。21日開会の市議会3月定例会にも売却議案が提出される見通しだが、野党側は十分な手続きが踏まれていないとして、市の動きをけん制する。

 市幹部で構成する検討委は2019年6月7日、「委員の特定につながり、意見を出しにくい」「周辺地権者などの個人情報も特定される恐れがある」として、委員会を非公開とすることと議事録を作成しないことを決めた。

 検討委が開催される前日の4日、「石垣島に軍事基地をつくらせない市民連絡会」は市有地を処分しないよう求める要請書を市に提出した。

 要請書では検討委が議事録を作成しないことに、「執行機関は、行政運営における公正の確保と透明性の向上を図る」と定める市自治基本条例21条に反すると指摘した。

 市民連絡会の金城哲浩共同代表は「市民全体の財産なのだから、市民に分かるような形で審議するのが本来の筋だろう。住民投票もしないし、市民の意見を聴く必要はないという市政のやり方をよく表している」と批判する。

 八重山地元紙で検討委の決定が報じられた6日。市議会野党会派の「ゆがふ」は会見を開き、議事録を作成しないことなどが、市情報公開条例の「会議録など必要な文書の作成および管理を怠ってはならない」(3条)に適合しない可能性があると指摘した。

 同会派の花谷史郎氏は「市民の関心事項にもかかわらず、怠慢ではないか。条例に違反した疑いのある検討委の決定で、市長は議会に提案して良いのか」と疑問を呈し、「住民監査請求の対象にもなり得るのではないか」と指摘する。

 野党側は手続きに不備があるとして、追及を強める構えだ。