モバイルプリンス
今日は「セレクティブ・エネミー」という言葉を紹介します。
直訳すると「選択できる敵」。評論家の荻上チキさんなどが使う言葉で、まだ有名ではありませんが、会員制交流サイト(SNS)を使う上で意識しておくべき単語です。
例えば、賛成・反対が強く分かれるテーマに対し「賛成派」「反対派」は共に意見を出し合います。その中で「賛成派」から、間違っていたり、共感されないような極端な意見が出てきたりしたとします。
それをばかにするように「賛成派からとんでもない意見が出てきた」と、反対派の人が同じ派閥の人に報告する。
このように一部の極端な、偏った意見を取り上げて「敵」の批判をすることを「セレクティブ・エネミー」と言います。
見たことありますね。
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この例の場合、セレクティブ・エネミーを行うことで反対派の人たちは「相手側は頭が悪い。私たちは一歩も譲れない」と団結し、相手の話を聞かなくなる。
逆に賛成派の人たちも極端な反対派の意見をセレクティブ・エネミーし、「相手はこんなに頭が悪い」と言い合う。
そうすると、話し合いもできなくなりますね。
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そうだね。お互い、極端な相手を「敵」にすることで、問題がこじれる。実際に、ツイッターでは「○○を主張するやつはこんなに頭が悪いことを言っている」とばかにする形で投稿が拡散されているのをよく見掛ける。
そうしたやり取りを見ていると、「あぁ、この議論はどっちもレベルが低くて、自分は関わりたくないな」と思うこともあるだろう。
ただ問題の本質は「議論をしている人たち」ではない。例えば、環境問題について議論している人たちの両方が「セレクティブ・エネミー戦術」で、見ていて共感できなかったとしよう。
しかし、そこで環境問題から目をそむけても、何も解決しない。
確かにそうですよね。
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問題が複雑であればあるほど、しっかりと考え、解決方法を見つけるのが難しい。
そのためセレクティブ・エネミーが発生しやすいし、「議論している人たち」と距離を取る方が、自分も一番楽だったりする。
しかし、問題の本質をしっかりと意識して、そこからは逃げないように注意したいね。
【プロフィル】
モバイルプリンス / 島袋コウ 沖縄を中心に、ライター・講師・ラジオパーソナリティーとして活動中。特定メーカーにとらわれることなく、スマートフォンやデジタルガジェットを愛用する。親しみやすいキャラクターと分かりやすい説明で、幅広い世代へと情報を伝える。