6日に82歳で死去した沖縄芝居役者の北村三郎さんの告別式が10日、浦添市のフェニックス那覇玉泉院で執り行われた。参列者約500人が、名脇役として活躍した北村さんの温厚な人柄をしのんだ。
級友や芸能各界の関係者らが参列し、厳かに焼香した。ロビーには賞状や舞台姿の北村さんの写真やアルバムが展示され、参列者が涙ぐみながら見入った。
喪主で次男の髙宮城実人さんは「親子で務めた『愛の雨傘』が父の最後の舞台になった。『丘の一本松』をはじめ多くの舞台で共演するたび、楽しそうに芝居していた姿を思うと目頭が熱くなる。父の遺志を受け止めて少しでも近づけるよう今後とも頑張っていく」と弔辞を述べた。
北村さんと劇団「潮」を立ち上げ沖縄芝居を発信した仲嶺眞永さん(84)によると、北村さんは病気の影響で右手が動かない中、左手で脚本や文字を書いていたという。仲嶺さんは「また一緒にやろうと励ましていた。自分の片腕がなくなってしまったような寂しい気持ちだ」と別れを惜しんだ。