中学生が対馬丸の悲劇を英訳 記念館に説明文贈る


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英訳した説明文を寄贈した上山中3年の生徒らと対馬丸記念館の高良政勝理事長(前列左から3人目)=5日、那覇市若狭の対馬丸記念館

 那覇市立上山中学校(平良満洋校長)3年の生徒らはこのほど、対馬丸記念館(高良政勝理事長、同市若狭)の展示物に付けられた説明文の英訳に挑戦し、同館に5日、説明文を贈った。昨年度から実施する取り組みで、今回で2回目。

 3年生115人は、事前学習として対馬丸に関する映画を鑑賞したり同館を訪れたりして理解を深めた。授業や放課後の時間を使って英訳に挑戦した。生徒を代表して山川奈那子さん(15)は「先輩方は苦しかったんだろうという気持ちを感じた。外国の人たちに戦争の悲惨さや犠牲になった人たちの思いが伝わってほしい」と述べた。

 高良理事長は「単なる犠牲者ではなく、上山中の先輩が犠牲になったという気持ちで訳してくれたことに感動した。よりインターナショナルな記念館にしたい」と感謝を述べた。平良校長は「(生徒は)学ぶことが、誰かの役に立つという視点を得られたと思う」と語った。