児相に4月から「初期対応班」 一時保護などの介入で専従


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 沖縄県は県内の児童相談所に、一時保護などの介入対応に専従する「初期対応班(仮称)」を新たに設置する。玉城デニー知事が13日、県議会2月定例会本会議で説明した。これまで介入対応は相談班が担っていたが、家族支援も兼任しており、相反する業務の掛け持ちには課題があった。3月末までに規約改定を進め、4月から運用を始める。

 県中央児童相談所と県コザ児童相談所にそれぞれ職員を増員する。その上で相談班から介入対応の機能を分離する。従来は一つの班で家族の再構築を図る支援と、保護者の同意を得ずに一時保護の強制措置まで行う介入対応に当たってきた。ただ支援しながら親から子を引き離すことにもなるため、事案によって保護者との関係づくりに影響することがあったという。

 県内の2018年度児童虐待対応件数は前年度比59・2%増の1100件で初めて千件を超えた。子どもの前で家族に暴力を振るうといった「面前DV(ドメスティックバイオレンス)」による心理的虐待の通告が警察から増えた。児相の新規一時保護件数も17年度にいったん減少したが、18年度は再び増加し310件となった。班の新設は面前DVの関係で警察からの通告が増え、初期対応が求められていることも背景にある。

 県青少年・子ども家庭課の担当者は「役割を分けることでリスクの高い案件にも専念できる。保護者との関係構築も円滑になることが期待される」と話した。