クルーズ寄港中止36回 中国直行便、週15便運休 新型肺炎観光影響 県、プロジェクトT設置へ


この記事を書いた人 Avatar photo 米倉 外昭
那覇空港

 玉城デニー知事は14日午前の定例記者会見で、新型コロナウイルスによる肺炎(COVID19)問題で、1月29日から3月5日までに沖縄に寄港する予定だったクルーズ船のキャンセル数が36回に上っていることを明らかにした。乗客定員は合計で6万7千人になる。玉城知事は感染拡大が県経済に及ぼす影響を抑える必要があるとして、経済対策で部局横断のプロジェクトチームを設置する方針を示した。航空路線は北京や天津など中国5都市と那覇を結ぶ直行便は、13日時点で週15便が運休している。那覇と上海を結ぶ路線は減便となり、2月は全87便のうち50便が欠航となる。

 クルーズ船のキャンセルに航空路線の運休分も含めた入域観光客全体の数値は集計中という。昨年から続く韓国客の減少に中国客や国内客の減少が加われば、2019年度の入域観光客数1千万人突破が困難になる可能性も出てくる。

 クルーズ船の寄港キャンセル回数は県が寄港地に確認して集計した。影響が長期化すればさらに増える可能性もある。キャンセル数は那覇が12回、中城が3回、宮古が16回、石垣が5回となっている。全て中国本土や香港から沖縄に向かう航路という。

 1月27日以降は中国政府が団体旅行を禁止していることから、玉城知事は「沖縄を訪問する中国人観光客数にも影響が出始めている。県としては関係業界へのヒアリングを通じ状況把握に努める」と強調した。

 経済対策のプロジェクトチームは商工労働部、文化観光スポーツ部、農林水産部の統括監らで構成する。観光客減少による県経済の影響について情報を共有し、県内企業の支援策などを話し合う。17日以降に最初の会議を開く。