国が来月にも辺野古の計画変更を申請 軟弱地盤改良で 県は承認せず


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工事が進む名護市辺野古沿岸部=2019年12月8日、米軍キャンプ・シュワブ沿岸(小型無人機で撮影)

 名護市辺野古の新基地建設を巡って、防衛省は軟弱地盤の改良工事を進めるための計画変更を3月にも県に申請する方向で調整に入った。地盤を固めるため海底に砂ぐいなどを打ち込む工法のほか、護岸設計や土砂調達方法の変更についても申請内容に盛り込む。県の判断が焦点となるが、新基地建設に反対する玉城デニー知事はこれに応じない立場だ。政府は承認が得られない場合の法廷闘争も視野に準備を進めており、工事の長期化が避けられない情勢となっている。

 防衛省関係者によると、3月を軸に申請の調整が進んでいる。

 変更計画では、大浦湾側の軟弱地盤(約66・2ヘクタール)を固めるため約7万1千本の砂ぐいなどを打ち込む工法が検討され、改良工期として4年1カ月を見込む。

 護岸設計も見直し、護岸で囲う前に土砂を投入する先行埋め立てを実施する。

 土砂の調達方法も変更する。当初計画では県内のほか西日本6県を採取地にしていたが、県内での調達を拡大させる計画にする。外来種侵入を規制する県の「土砂条例」適用を回避したい考えだ。

 米軍に施設が提供されるまでに要する全体工期は「12年」とされるが、県の承認が得られた時点から起算しているため、実際にはさらに時間がかかる。