【記者解説】辺野古新基地建設の今後はどうなる? 3月にも国が計画変更申請


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 米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に向け、防衛省が3月にも軟弱地盤を踏まえた設計変更を申請するのは、埋め立て計画の大半を占める大浦湾側の工事に着手するためだ。直近でも軟弱地盤の調査結果に関して都合の悪いデータを考慮に入れていなかったことが判明するなど、工事を進めるために前のめりな姿勢が際立つ。

 政府は県側の抵抗を見据え、有識者でつくる技術検討会を設置してお墨付きを得て「理論武装」を進めてきた。新基地建設阻止を掲げる玉城デニー知事は承認に応じない構えで、双方の駆け引きは法廷闘争も含めた長期戦となりそうだ。

 今回は2回目の変更申請に当たる。前回の変更申請は2014年9月、仲井真弘多氏が知事のころだった。仲井真元知事は5回にわたり防衛局への質問を繰り返したが、わずか約3カ月で申請4件中2件を承認した。防衛局が3月にも予定する変更申請は護岸の構造や土砂の運搬方法まで含んでおり、当時と比べると大規模な変更申請となる。14年のころとは比べものにならない精査作業になると考えられる。政府は知事から承認を得た時点からさらに12年かかると説明しており、辺野古移設に固執するほど普天間飛行場の危険性除去は先送りになることが明らかになっている。

 玉城県政は公約実現のため最終的に不承認としたい考えだが、国から提訴されることも見据え正当な理由が必要となる。民意を後ろ盾にした玉城県政にとって「踏ん張りどころ」(県関係者)となる。(明真南斗)