昨年、右肘手術で途中離脱を余儀なくされたソフトバンクの東浜巨(沖縄尚学高―亜細亜大出)は1軍主体のA組に加わり、シーズン開幕戦復帰、パ・リーグ初の日本シリーズ4連覇へ向けギアを上げている。
6日のブルペンでは、フォームや球の軌道を確認するように149球を投げ込み手応えを得た様子。時には内川聖一内野手を立たせ、実戦イメージを膨らませていた。
昨季は5月に沖縄で行われた西武との公式戦を最後に離脱。入団前から抱えていた右肘の違和感に耐えられず手術を決断した。「状態が良くならず、すべてがうまくいかないシーズンだった」と18年に最多勝のタイトルに輝きながらも、活躍できなかったことに悔しさがにじむ。
だが一方で「手術することで一度リセットされ、濃い時間を過ごせた」と食生活やトレーニングなどを見直し、さらに進化したとの自負がある。今季は「けがなく1軍で投げる。そうすれば結果も自然と付いてくる」と焦らず徐々に調子を上げている。1軍の佐久本昌広投手コーチは「調整遅れなんてみじんも感じない。すぐ勝負できるような状態まで仕上がってきている」と先発ローテーション入りも視野に入れている様子。
7月には沖縄での公式戦も控える。昨年は地元での先発を務めたが、2点本塁打を浴びるなど四回で降板し、苦い結果に終わった。「良いところを見せられなかった。ローテーションの関係もあるができれば地元で投げたい」とリベンジを誓い、キャッチャーミットの乾いた音をブルペンに響かせた。
(上江洲真梨子)