手術を乗り越え進化 先発ローテも視野 ソフトバンク・東浜巨 〈球春2020年県勢キャンプ・ソフトバンク〉


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 昨年、右肘手術で途中離脱を余儀なくされたソフトバンクの東浜巨(沖縄尚学高―亜細亜大出)は1軍主体のA組に加わり、シーズン開幕戦復帰、パ・リーグ初の日本シリーズ4連覇へ向けギアを上げている。

 6日のブルペンでは、フォームや球の軌道を確認するように149球を投げ込み手応えを得た様子。時には内川聖一内野手を立たせ、実戦イメージを膨らませていた。

開幕に向けて闘志を燃やすソフトバンクの東浜巨=6日、宮崎市生目の杜運動公園

 昨季は5月に沖縄で行われた西武との公式戦を最後に離脱。入団前から抱えていた右肘の違和感に耐えられず手術を決断した。「状態が良くならず、すべてがうまくいかないシーズンだった」と18年に最多勝のタイトルに輝きながらも、活躍できなかったことに悔しさがにじむ。

 だが一方で「手術することで一度リセットされ、濃い時間を過ごせた」と食生活やトレーニングなどを見直し、さらに進化したとの自負がある。今季は「けがなく1軍で投げる。そうすれば結果も自然と付いてくる」と焦らず徐々に調子を上げている。1軍の佐久本昌広投手コーチは「調整遅れなんてみじんも感じない。すぐ勝負できるような状態まで仕上がってきている」と先発ローテーション入りも視野に入れている様子。

 7月には沖縄での公式戦も控える。昨年は地元での先発を務めたが、2点本塁打を浴びるなど四回で降板し、苦い結果に終わった。「良いところを見せられなかった。ローテーションの関係もあるができれば地元で投げたい」とリベンジを誓い、キャッチャーミットの乾いた音をブルペンに響かせた。
(上江洲真梨子)