
昨年五輪切符を懸けたMGC(マラソングランドチャンピオンシップ)に出場した実力者の園田隼(30歳、福岡県)が15キロ付近からの一人旅で初優勝した。
理想のペース配分や大振りにならない腕のフォームなどにこだわった。前半は5キロ17分のペースを維持し、10キロすぎの急な登り坂で「身体を動かさないと後で固くなる」と積極的な走りで先頭集団を引っ張った。次第に集団から脱落者が出て独走状態になった。
しかし、20キロ地点からの10キロは起伏が続き、体力を奪われ、歯を食いしばる表情も見せた。序盤で控えていた給水も頻繁に取り、しきりに時計を気にした。
30キロ地点からの急な雨風で元気を取り戻した。「涼しくなって走りやすくなった」。苦悶(くもん)の表情はなくなり、下りを快走。2時間21分41秒でゴールした。「7割の出来だったが、東京マラソンのために試合形式で走れた」と納得した。
MGC以降、試合機会は少なかったが、初の沖縄でのマラソンはブランクをものともしない快走だった。照準の東京マラソンに向けて「なるべく高い順位を目指して、五輪代表に選ばれる走りをしたい」と自己ベストの2時間9分34秒超えを狙う。
(古川峻)