家事援助、月8時間から18時間に戻る 視覚障がいの女性 「一人の力ではできなかった」


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「那覇市役所に少しは気持ちが伝わった」と笑顔で話す當山由美子さん=那覇市の自宅

 視覚障がい者の當山由美子さん(68)=那覇市=が65歳を境に障害福祉サービスから介護保険サービスに切り替えられ、受けられる家事援助の時間が月26時間から8時間に減った件で、このほど障害福祉サービスに戻り、2月1日から家事援助のサービスが18時間に延長された。全盲の夫・勲さん(63)も9時間のサービスを支給され、家族で計27時間の家事援助を受けることになった。

 當山さんは「1人の力ではここまでできなかった。ケアマネジャーや相談員、みんなが同じ気持ちで協力してくれた」と喜んだ。

 市は当初、當山さんが障害福祉サービスの「同行援護」(外出時の移動支援)を利用していることを踏まえ、介護保険サービスが必要な「要支援1」と認定した。その結果、障害福祉サービスの「家事援助」が受けられなくなった。

 2019年5月、當山さんはこれを不服として介護保険の認定取り消しを求め、県介護保険審査会に審査請求した。審査会は同年10月、市の認定を取り消した。市は審査をやり直し、當山さんは介護保険サービスの対象には該当しない(非該当)と判断した。その後、障害福祉サービスを申請し、家事援助が家族で計27時間と確定した。

 以前は由美子さん自身で26時間のサービスを受けていたため、個人で受給するサービス時間は回復していない。「満足のいく結果ではないが、市とお互いに歩み寄って今回の結果が出た。この経験を視覚障がい者の仲間と共有して発信したい」と笑顔を見せた。