不正送金の被害額、過去最悪3551万円に ネット預金の個人情報盗みだまし取る手口が増加


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 2019年に県内で発生したインターネットバンキングを用いた不正送金事件は14件で被害額は3551万円となり、過去最悪となったことが19日、県警サイバー犯罪対策課のまとめで分かった。昨年12月に県内金融機関を装ったショートメッセージサービス(SMS)が携帯電話に送られ、ID、パスワードなどを入力させて預金をだまし取る事件が7件発生し、被害額を押し上げた。

 一方、同年のサイバー犯罪摘発件数は18年比24件減の109件だった。児童売春・児童ポルノ禁止法違反など児童が被害に遭う事件が全体の約54%を占めており、全国的にも突出して高い傾向にある。

 同課によると、18年のネットバンキングに関わる不正送金事件は2件、被害額は295万円だった。またSMSを使った不正送金事件は、18年から宅配業者の不在通知を装ったケースが確認されている。記載されたURLからアプリをダウンロードするよう誘導され、持ち主の知らぬ間に他の携帯電話にSMSを送信するウイルスが仕込まれる。個人情報が抜かれて不正送金に至るという。

 同課は「金融機関の担当者や警察官が電話やSMSで暗証番号などを聞くことはあり得ない」と注意喚起をした。

 サイバー犯罪の摘発件数は18年が133件、17年が144件だった。19年は児童売春・児童ポルノ法違反や詐欺事件の摘発が減った。児童が被害に遭うサイバー犯罪事件の摘発件数は17、18年も5割以上を占めた。