窪徳忠賞に八尾祥平氏 沖縄の台湾系華僑を研究


社会
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八尾祥平氏

 沖縄国際大学南島文化研究所は18日、琉球と中国の関係を研究する若手研究者に贈る「第24回窪徳忠(くぼのりただ)琉中関係研究奨励賞」に、日本学術振興会特別研究員PDの八尾祥平氏(42)=横浜市=を選出したと発表した。3月6日に沖縄国際大学厚生会館で贈呈式・祝賀会を開く。

 八尾氏は沖縄在住の台湾系華僑華人を対象に幅広く研究し、琉球華僑というマージナル(境界)な存在から沖縄社会の変化を再検証した。社会学的なフィールドワークだけでなく、公文書や新聞、統計など膨大な史料を分析し、実証的な歴史学の手法も取り入れて解明した。

 同研究所は「台湾側にあった沖縄に関する史料の分析にいち早く取りかかった点が高く評価できる。研究成果は政治史・社会史の分野だけでなく、文化史においても貢献が認められる」と評価した。