(西部)
「昨季は特に危機感があった」と語るのは、西武の右腕・國場翼(具志川高―鹿児島・第一工業大出)だ。2018年は、実力が足りず1軍での登板に恵まれなかった。転機が訪れたのは19年だった。同郷で、17年のパ・リーグ最多勝投手に輝いたソフトバンク・東浜巨の自主トレーニングに参加した。投球の幅を広げるため、東浜にツーシームとカットボールを教わった。
「成果が出たのは19年シーズンだった」。手応えは早い段階からあった。昨季2軍でのオープン戦で試したカットボールは、併殺や内野安打で打者を仕留めるなど「自分の(理想とする投球)イメージが付いた」という。変化球をものにし、3年ぶりに1軍入りを果たした。自身最多の15試合に登板し2ホールド、1勝をあげた。
だが、慢心はない。19年は「飛躍の年というよりも、ことしだめだったら終わりだと思っていた。背水の陣で挑んだ1年だった」という。キャンプ地・宮崎のブルペンではカットボールに加え、フォークや直球のフォームを何度も繰り返し、体にたたき込んだ。
昨季は勝負どころで中継ぎとして登板機会が多かった。今季は「重要な場面で投げたい気持ちもある。だがまずは、しっかり結果を残して、勝ち試合で投げたい」とプロ5年目も挑戦者の気持ちで迎える。
(上江洲真梨子)