芸大生らが首里城の破片選別 再建活用へボランティア


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 県立芸術大学美術工芸学部の学生と教員ら約30人が22日、焼失した首里城の瓦などが残る那覇市の首里城公園の御庭(うなー)で、小龍柱や石獅子、石高欄の破片などを採取し選別する作業をした。

沖縄美ら島財団の案内で首里城正殿が焼失した跡を見て回り、現場の状況の説明を受ける県立芸大の学生ら=22日、那覇市首里当蔵町の首里城公園

 国や県、沖縄美ら島財団は、形が残る瓦や構造物の破片などを回収し、首里城再建に向けて活用を検討する方針を示している。破損した瓦などを探したり、しっくいを剥がしたりする四つの体験ボランティア事業を3月から始める予定で、参加者を募っている。県立芸大生らの作業は、ボランティア活動の一環として、同事業に先駆けて実施した。

 学生らは2グループに分かれて午前と午後に約3時間ずつ、正殿跡前で作業に取り組んだ。選別した破片などは分類ごとにまとめて保管されている。

 彫刻専攻の2年生で愛媛県出身の山下詠歌(えいか)さん(20)は「大変だったけど小龍柱などの破片を見つけた。うろこまで細かい細工が施され、まねできないなと感じた。いい経験になった」と満足そうに話した。

 美術工芸学部の波多野泉教授は「『平成の復元物』である首里城の構造物の破片を選別する作業は造形教育の趣旨にも沿う。復興のためさまざまな貢献を検討している」などと話した。