特殊詐欺の被害が2000万円超 電子マネーを要求する手口が横行


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 2019年の県内の架空請求や振り込み詐欺など特殊詐欺の認知件数は前年比6件減の19件で、被害額は約17万円増えた約2013万円となり、2年ぶりに被害額が増加に転じたことが21日までに県警のまとめで分かった。全国的には減少傾向にあるが、県内では近年横行する電子マネーを要求する手口などの詐欺が被害額を押し上げた。

 全国の特殊詐欺被害額は前年から約81億円減った約301億4千万で、5年連続の減少。認知件数は前年から約千件減少し、1万6836件だった。

 県警が19年に認知した特殊詐欺19件のうち、コンビニエンスストアなどで簡単に購入できる電子マネーを要求するなどの架空請求が最多の16件、被害額は約1266万円だった。

 被害者を年代別でみると10~20代が5人、30代はなし、40~50代が8人、60代以上が6人で、被害は高齢者にとどまらず若年層にも広がっている。

 また、警察官や金融機関の職員を装って暗証番号を聞き出し、キャッシュカードを盗んだ後に現金を引き出す「キャッシュカード盗」が新たに種別に加わり、県内では1件59万円の被害が発生した。

 県警が19年に摘発した特殊詐欺は1件で4人。うち2人はキャッシュカード盗の受け子役などで当時10代の少年だった。犯行はインターネットを介し複雑かつ巧妙のため、犯人の特定や取り締まりは難しいという。

 県警は「相談があっても被害届を出さないケースもあり、実際は数字以上の被害があるとみている。電話やメールで電子マネーなどを要求されたら詐欺だと思い、周りの人や警察に相談してほしい」と呼び掛けている。