大阪府のNPO法人「YELL JAPAN」は、同法人が制作するコーヒー「YELL COFFEE」の売り上げの一部を首里城再建のため寄付する取り組みを始めている。障がい者が商品の制作に携わり、自立を支援する事業の一環。全国の事業所で取り組まれており、県内では二つの障がい者就労支援事業所が協力し、コーヒーの袋詰めや販売を担当している。
一部地域では、首里城とシーサーの絵が描かれたパッケージの「ちばりよーコーヒー」として販売される。パッケージの絵は、長崎県に住む障がい当事者が手掛けた。
県内で担当するのは、名護市の就労継続支援A型事業所「やんばるステーション」(比嘉ゑみ子専務取締役)と、八重瀬町の就労継続支援B型事業所「ハルハウス」(久手堅憲太所長)。
焙煎(ばいせん)した豆を仕入れた後の豆ひきや計量、袋詰めを分担して作業を進める。商品は会社や学校などの給湯室で提供したり、イベント会場で販売したりする。働く障がい者だけでなく、購入する人も首里城再建への寄付ができる仕組みだ。
比嘉さんは「(利用者が)仕事に取り組める喜びが大きい。自分たちも首里城再建の役に立っているという喜びが伝わってくる」と語る。久手堅さんは「稼いだお金で好きなことができるためのお手伝いをしたい。障がい者の可能性を広げていきたい」と意気込む。
ハルハウスで作業する崎間達次さん(62)=八重瀬町=は左半身にまひがあり、右手を使って作業する。「ちょっとした仕事でも首里城の寄付に携われる。仕事に誇りを持って頑張っている。県民みんなで力を合わせて頑張りたい」と笑顔を見せた。
(上里あやめ)